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Janek Chenowski's Provisional Blog

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Luminox、恐縮だが金を返してくれ

 ルミノックスという時計メーカーがある。
 どんな時計を作るか、それを一言で説明するのは難しいけれど、要は「文字盤に放射性蛍光物質を用いて、暗闇でも視認できる時計を作るメーカー」とでも言おうか。蓄光物質のように光を当てる必要もなく、数年に亘って自ら発光し続けてくれる、普通の人間にはあまり益のないように思えるギミックが備わっているモデルを多数作っている。普通の人間には、だけれど。
 ルミノックスは、自社製品が米海軍特殊部隊に採用されている事で有名である。つまり、僕のようなミリタリーマニアであれば、それを着用する事で幾許かの英雄願望を満足させる事が出来るというわけだ。
 だから僕も、ルミノックス製品をしばらく愛用していた。3050という素っ気ない型番も、時計とカレンダー機能しか付いていない簡素な仕様も、これが軍用レベルの時計であるという先入観を以ってしてみれば、途端に「質実剛健」という言葉に化けるから不思議なものだった。何に使うのか未だに分からない回転ベゼルとか、何で出来てるのか分からない程軽量なケースがもたらす不思議と軽い装着感も、別に気にならなかった。
 しかし、1年ほど使い続けたある日、突然ベルトが切れた。突然ではなかったかもしれない。もしかしたら微細な亀裂が生じていて、それが徐々に広がっていったのかもしれないが、とにかくブチンと切れた事には間違いが無い。米海軍特殊部隊に採用される程の時計のベルトが、こんなに簡単に千切れるとは思っていなかった。もしかしたら僕が滅多に腕時計を外さず、ほとんど24時間も着けたままで生活する習慣の持ち主であった事も影響しているのかもしれないが、あまりに早すぎる破損だった。即座に代理店に電話をしようと思ったのだけれど、生憎と僕の買ったモデルは正規代理店を通して購入しておらず、おまけに購入当時に付属していたワランティカードは行方が分からなくなって久しかった。ベルトは辛うじて交換可能なタイプだったものの、純正交換品はベルトだけで6,000円以上もの値段が付いていた。誰がそんな金額に納得が出来るというのか? どうせもう1年も使ったらまた切れるかも知れないのに。
 同じ6,000円を使うなら、僕にはもっとマトモな使い道がある。それはカシオのDW-5600Eを買う事だ。
 DW-5600Eは俗に「G-SHOCK」と呼ばれる製品の中でも、最もベーシックなモデルだと思う。ソーラーパネルも付いていないし、いわゆるG-SHOCK的な甲冑の様に重厚なベゼルも持たないが、かつて僕が使ってきた中でも、時計としての機能を喪失した事は一度たりともない。電池の消耗も比較的遅い。どれくらい遅いかというと、「DW-5600Eは平均して○年で電池が無くなります」という客観的なレビューがほぼ存在しない程だ。
 僕はルミノックスを購入する遥か以前にも、DW-5600Eを愛用していた。これはベルトが切れる事もなく、ベゼルの角は擦れてツルツルになり、ベルトはテカテカと輝く程に使い込まれていったのだが、それでも頑固に動作し続け、防水性や耐衝撃性は最後まで衰える事がなかった。おまけに「G-SHOCK」という名称が似合わない程に軽量かつ小型のボディのおかげで、ワイシャツなどを着ていてもカフスに引っかかる事がなく、機械類の整備に携わる人間であっても、これが狭い隙間に手を差し込んだ時に引っかかる事はほとんどない。万が一引っかかっても、その衝撃で壊れる事はない。
 ルミノックスのベルトが切れて、その貧弱さに幻滅した今、僕は再びそのDW-5600Eを手にした。これは今まで持っていた物ではなくて、新たに購入したものだ。以前所持していたモデルは紛失してしまった。何故だか分からないけれど、僕はいろんな物を魔法の様に失くしてしまう事がままある。実際に魔法使いなのかもしれない。
 ともあれ、これが人生で2回目に持った5600だけれど、仕様は全く変わっていなかった。厳密には逆輸入モデルなので、細部のマーキング等が異なる筈なのだが、気にしたことがない。どれほど昔のまま変わらないかといえば、世界中の言語で書かれたロゼッタストーンのような取扱説明書をめくるまでもなく、時刻合わせやカレンダーの設定が出来た程だった。
 デジタル時計としては必要最低限の機能しかないものの、僕の必要とする機能は全て備えている。いや、むしろそれ以上か。ストップウォッチのスプリットタイム機能の使い方は、僕には未だに理解できないし、使い道も思いつかない。カレンダーは全自動で曜日まで導き出してくれるし、盤面はルミノックスのように自然発光したりはしないけれど、ELバックライトがボタン一つで光り出す。ソーラー発電や電波時刻合わせといったギミックを持ち合わせた5600の同系も最近発売されたらしいが、少しばかり高価だったので、僕にはやはりシンプルなDW-5600がいちばんしっくりくる。コストパフォーマンスという点に於いて、ここまで優れた腕時計はF91Wを除いて他に知らない。
 久しぶりに腕に嵌めたDW-5600は驚くほどしっくりと来て、僕の手首にぴったりと収まった。ルミノックスよりも若干軽く感じられるし、何より厚みが無いのが大きなポイントだと思う。そして、やはり価格という面からも僕の心理的負担は大きく軽減されている筈だ。ルミノックスはどんなに安いモデルでも数万円はする。米海軍特殊部隊が採用したモデルとは言え、それだけの腕時計をハードに使い倒すのには勇気が要る。そして、実際に僕のルミノックスは、ちょっとハードな使用が祟ってベルトが千切れてしまった。
 一方、DW-5600は――実を言うと逆輸入モデルなのだが――6,000円もあれば購入可能だから、そこまで扱いに神経質にならなくて済む。というよりも、神経質に扱われる事を、おそらくこの腕時計は求めていない。何しろ「G-SHOCK」なのだから。その名を冠した腕時計のうち、最もベーシックなモデルだからといって、その耐久性が他と比べて劣るという訳ではないだろう。
 先にも書いた通り、僕は普段から腕時計を外す事があまりない。寝てる時でも、たとえば夜中に尿意を催してトイレに立った時など、ふと腕時計に目をやる事がある。着けていないとなんだか裸になったような居心地の悪さを感じるのだ。そして、今回手に入れたDW-5600も、これからずっと僕の手首に着けていくつもりだ。きっと惜しくもベルトが切れてしまった今までのルミノックスのように、もしくはそれ以上の働きぶりを発揮してくれる事と思う。
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